ハワイの不動産購入による節税効果とは?2020年度の税制改正はどう影響するのか?

節税について

公開日:2020.06.15 更新日:2020.06.15

日本人にも、そして世界中の人にも人気のリゾート地ハワイ・ワイキキ。ハワイは観光地として有名ですが、一方で治安や気候の良さから移住先としても人気があります。

そのため地価が下がりにくく、中古の物件も価格が落ちにくいため海外不動産の投資先としても選ばれる傾向にあります。

また、日本で不動産を購入する場合は、地震や台風などの自然災害のリスクもあります。ハワイの不動産にはリスクヘッジの意味合いもありますが、更には節税効果もあると言われています。

今回はハワイの不動産購入による節税効果や2020年度税制改正されたことによる影響を解説します。

ハワイの不動産購入による節税のしくみ

ハワイの不動産購入を検討したことがある人は、一度は「節税」という文字を見かけたことがあるのではないでしょうか。

しかし具体的にはなぜハワイの不動産を購入することが節税効果を期待できるのかを理解しきれていない人も多くいます。

そこで今回は「減価償却費」と「損益通算」の2つの側面から、ハワイの不動産購入による節税のしくみを簡単に説明します。

減価償却費の違いによる節税効果

減価償却費とは、会社や個人が長く使うものの使用分を金額にし、何年かに分けて経費にしたものを 言います。

例として100万円のコピー機を購入したとします。 コピー機は数年に渡って利益(直接的な売上としてではなく事業への貢献としての)を生み出します。

しかし費用である100万円を購入した年に全て経費として計上しては、購入した翌年以降は、経費がないのに利益が生み出される状態となり、利益と経費のつり合いが取れません。

そこで100万円を数年に渡って、分割して計上することを減価償却と言います。

減価償却は土地以外の固定資産にのみ適用されます。その年の減価償却費を計算するときは耐用年数を用います。耐用年数とは「この固定資産はこれくらいの期間なら使用に耐えられる」と法律が決めた利用年数のことです。

不動産に話を戻します。 土地はいくら使っても価値は落ちないとされているため、減価償却は行いません。一方、建物は経年劣化で価値が落ちると認識されるため、建物には減価償却が適用されるのです。

そして、ハワイのほうが日本より減価償却費の金額が大きくなります。なぜかというと、不動産に対する価値観が違うからです。日本では土地の価値を重視するため、不動産における建物の価値の比率は40~60%です。

しかしハワイの不動産の場合、建物の価値は70~90%ほどあります。つまりハワイの不動産は建物の価値が高いため、減価償却費も高くなり、それだけ多くの費用を経費として計上できるのです。

これにより課税所得は少なくなり、節税ができるのです。この節税効果の違いは売却時にも表れます。

日本の場合、減価償却費を長年計上して節税できても、売却するときに不動産の価格が落ち、売却損が出ることがあります。節税して一見得したように思えても全体から見たら損が大きいと感じるかもしれません。

しかしハワイは中古物件でも、そして築年数が古くても、価格が落ちにくいのが特長です。

そのため5年以上不動産を保有して売却すると売却益ができます。さらに、売却した際のキャピタルゲインに対する税率は分離課税の20.315%(所得税率15.315%・住民税率5%)が適用されるため、税金の負担は少なくてすみます。購入から運用、売却までの全体を見ると、ハワイの不動案に投資したほうが得なのです。

損益通算による節税効果

損益通算もハワイの不動産購入時の節税のポイントになります。 特に不動産所得だけではなく、給与も多い方には節税効果が高いと言えるでしょう。

損益通算とは、減価償却費や修繕費などで不動産所得の収支が赤字になった際、給与所得や公的年金の雑所得などの他の所得の黒字と相殺できることをいいます。

所得税は給与所得や不動産所得などを合算した所得に対して課税されます。しかし、不動産所得など一部の所得については、赤字が生じたら他の所得と相殺してよいうこととなっています。そのため、給与が高い人でも、不動産所得でマイナスが生じていれば、そのマイナス分は課税所得から引かれるのです。

また、減価償却費という現金の支出を伴わない書類上の必要経費であっても、課税所得が少なくなります。

ハワイの建物は日本よりも価値が高く、かつ、築年数が古くても人気があります。価値が高く築年数が古いハワイの物件は減価償却費が日本の新築物件より高いため、より大きな節税ができます。

また築年数が古くても人気があるため、価格が大幅に落ちる心配などもないでしょう。

2020年度税制改正により、ハワイ不動産の節税効果はどうなる?

しかし大幅な節税を目的とした海外不動産の購入は、以前から問題視されていました。

そこで政府は税制改正大綱を発表し、個人による海外不動産を使った節税方法を封じることにしたのです。具体的には、次のような改正内容になります。

「中古の海外不動産の不動産所得の赤字のうち、原則として減価償却費に当たる部分については、国内不動産の不動産所得や他の所得との損益通算ができない」

新たな税制は2021年1月1日から適用されるため、損益通算ができるのは2020年度、つまり今年度が最後となります。

また税制改正後の制度は、現在海外不動産を保有している人も対象です。今後、ハワイに不動産を購入しようとしている人も、すでに保有している人も対策を講じる必要があるのです。

そこで現在できる対策を2つ紹介します。

2020年の間に譲渡する

ハワイの不動産は現在、金額的にもピークを迎えていると認識されています。そこで税制の変更で買い手がつかなくなる前に譲渡するのが対策の一つです。

5年以上保有していれば税率も低いため、保有者も譲渡の決断がしやすいでしょう。

5年以上保有していない場合は、これまでの節税額、値上がり額から譲渡所得税を引いた金額、為替レートなどを総合的に加味して譲渡価格を決めましょう。

不安な人は早めに専門家に相談することも重要です。

法人名義にする

不動産を譲渡したくない場合は、法人名義にすることも対策の一つと言えるでしょう。

政府の税制改正は所得税の損益通算に関するもののため、法人には関係がありません。法人の場合は今まで通り、減価償却による節税が可能なのです。

ただし、法人所有の場合は減価償却で節税した分、売却時の利益も納税額も高くなるため、注意が必要になります。

新たな税制について、理解も対策も一般の方には難しいのが現実です。こちらも不安な人は専門家に相談することがおすすめです。

まとめ

ハワイの不動産を購入することは、これまで減価償却や損益通算といった節税の側面がありましたが、今後は法人所有にするなどといった対策が必要です。

特に高額納税者は給与所得や不動産所得により、多くのお金を税金として支払うことになります。

ただし、適切に不動産の運用を行えば、税金の対策もきっちりと行うことが可能です。

今後、海外不動産の購入を視野に入れている人は、売却も見据えてしっかりと物件を選ぶことが大切になります。

※2020年3月現在の情報です。

監修:鈴木まゆ子
税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒業後、ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。ZUU online、マネーの達人、朝日新聞『相続会議』などWebで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著)

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